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痛みの本質

私のこのブログが総合ランキングで1位になりました。何とも不思議な現象です。
さて、ここ数回は痛みというものの本質について様々な角度から考察してきました。
多くの外科医は、筋骨格の構造上の変化と痛みとは関連していないことを臨床経験で知っています。
慢性的な痛みの原因が、骨や軟骨のズレや歪み、変位によるものではなく、真の原因は生理的メカニズムによるものだと知っているのです。
「骨が」「軟骨」がという構造上のゆがみと痛みは無関係なのですが、それに起因しているものと患者の誰もがそう信じています。
そういう思い込みと不安が患者の潜在意識に深く刻印されています。
筋骨格系の痛みやしびれは、ガン、骨折、感染症を除き、それはハードのトラブルではなく、ソフトのトラブルなのです。
脳の反逆、自律神経、心の作用の問題ということです。
慢性腰痛は脳が原因です。慢性痛はDLPFCが問題であるということです。
そういうことが最新の医学研究で判明してきました。
脳が原因であり、その痛みを治すのも脳です。
脳が病気や痛みをつくり、脳が病気や痛みを治します。
脳が原因ですから、整形外科のどこに行っても慢性腰痛は治らないわけです。
治らないから様々な理由をつけて言い訳をします。
神経が押さえられているから痛い、軟骨や椎間板が潰れているから痛い、脊椎にすべりや分離があるから痛い、骨盤、仙骨にズレ、ゆがみがあるから痛い、姿勢が悪いから痛む、筋力がないから痛む、などなど、日本の医者も患者も強く思い込んでいますが、これはすべて迷信です。
米国疼痛学会の常識とは正反対です。
整形外科医が得意とする構造上の問題と慢性の痛みは無関係です。
そういう痛みの生理学はありません。
骨が、軟骨が、と医者は言いますが、痛みとは無関係です。
真実は、心の作用にあります。
心が脳に影響を与え、慢性腰痛の痛みを引き起こしていたのです。
心の動き、交感神経の緊張が、外力エネルギーとなって、センサーに痛みの電気信号を送り、センサーがその痛みを脳に送りますが、痛み中枢のDLPFCが痛みを制御して、痛みを消失させれば問題はないのですが、DLPFCの働きがストレスによって衰えているから痛いのです。
DLPFCが元気になり、不安やストレスが解けて筋肉の強いレン縮が止れば、痛みは止るのです。
痛みの原因は、骨や軟骨にあるのではなく、脳の影響下にある筋肉,靭帯にあります。
腰痛の原因を骨格のズレ、ゆがみ、中枢神経とする医学だから治せないのです。
米国疼痛医学会では明快にそのことを指摘し、誤りであると断言しています。
腰痛の大部分の真の原因は、筋肉の緊張と筋肉障害によるものということです。
脳の働きと筋肉の問題を解決すれば、すべての腰痛などの痛みが解決するということです。
筋肉痛の原因は4つです。緊張と、硬直障害、レン縮と不随意収縮の疼痛、トリガーポイントなどの圧痛点と遠隔放散する疼痛です。
筋肉にアプローチして、正常な状態、調和の取れた状態を取り戻してあげると、痛みは消滅するのです。
これは、15年前の私の書いた本から抜粋した文章ですが、未だその信念は変わっておりません。
椎間板ヘルニアであろうと、脊椎間狭窄症であろうと、腰椎すべり症であろうと、腰椎分離症であろうと、骨の変形にどんな病名、症状がつこうとも驚くことは何一つ必要もありません。臨床経験上、骨、軟骨は関係ありません。
慢性痛と骨は全く関係ないからです。
骨のズレ、歪みが神経を圧迫して、痛むのではありません。
そういう生理学はないのです。
慢性の痛みと骨格変位は関係ありません。
ストレスを調和させ、痛む患部の筋肉を丹念精密にアプローチして、正常にしてあげれば、痛みはなくなるということです。
骨が、骨がと言っている間は、少しも治りません。
12年前の米国の医学研究では、男女とも50歳以上の8割の人に脊椎の骨格変位がレントゲン上生じています。そのうち半数が歩くことも困難とも思えるヘルニアの所見でしたが、痛みもない、正常な運動もできるという人が大半でした。逆に、検査では正常な人も、ヘルニアの痛みで動けない人がたくさんいたのですから驚きです。検査すると半数の人が変形異常となりますが、痛みもなく正常です。筋骨格系の痛みは、骨、軟骨とは無関係であり、そのほとんどが脳が原因の筋肉異常であり、心身症が大本の原因ということです。
by toukokira-kira | 2020-01-15 10:53