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「正気」という言葉

今回は「正 気」(せいき)について書きますが、「正気」という言葉も、その意味するところも、すでに失われ、忘れ去られてしまっているようです。
日本人としての大事な心構えと志が凝縮してこめられた言葉が正気です。
歴代首相の指南役であった安岡正篤は、「現在の日本には廟堂(びょうどう=天下の政治をつかさどるところ)に正気というものがない。まして民衆の間に正気などは求め得るべくもない愛とか平和とか文化などを唱える前に、民族の正気を振興することが指導者の根本問題である。これを拱手(手をこまねいて何もしないこと)して懦弱(だじゃく=気持ちに張りなくだらけていること)に流されるならば、日本の将来は暗黒時代を迎えるといっても過言ではない。」と言っています。
志も青雲の気概もない人には、そんな小面倒ことはどうでもよいと思うかも知れません。
志をもって生きている人は、この厳しい安岡の指摘を知っておくべきだと思います。
稀代の思想家である安岡正篤の言う民族の正気とは何か。
日本民族の大事な正中である。
愛とか、平和とか、文化の類でないことだけは確かです。
正とは、正しい理であり、気とは、魂、命という意味である。
これをもって生気というのです。
つまり正気とは、正しい正義心をもって、民族の正しい因果律を悟り、民族を貫く命、魂というもの保持し、発展させ、誠を尽くすという意味でしょう。
古来より伝わるそういう日本の美しくて、強い心を進展させるものが正気です。
刻苦精励、努力して、忍耐と寛容の精神をもって、恥を知り、人の為、世の為に尽くし、国家繁栄のために前進する気構えが正気なのです。
前途洋々たる未来に生きる若人には、こうした気概をもって生きて欲しいと思います。





by toukokira-kira | 2019-03-24 11:16