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念彼観音力

仏教が日本に伝わったのは6世紀です。
それから仏教に根ざした信仰が始まりました。
庶民に最も信仰されたのが観音さま信仰です。
観音さまは、観世音菩薩といいます。
人々の苦しみ、悲しみを引き取ってくれる優しい仏様です。
病気や災難、不幸、早死の運命から救ってくれるのが観音さまです。
観音さまの中でも、最も信仰心を集めてきたのは、十一面観世音菩薩です。
強大なパワーをもつ仏様と信じられています。
国宝に指定される十一面は、全国に6体だそうです。
最も美しいとされるのが湖北の渡岸寺のものだそうです。
井上靖の小説に登場する十一面観音です。
正面3面は寂静面、左3面は憤怒面、右3面は菩薩面、後ろの1面は暴悪大笑面、頂上が仏面だそうです。
仏面は、衆生の災いを払い除ける力を顕わしています。
極楽往生は阿弥陀如来の働きですが、衆生を災難や苦しみから救うのは観世音菩薩の働きです。
当時は、この世では幸せになれない時代でしたので、せめてあの世ぐらいは幸せになりたい、という現世利益の信仰でしたが、厳しい封建制の時代に、人々に希望と優しさを与えてくれました。
とはいえ、「念彼観音力」という真言には不思議な力がありますので、災難に苦しんでいる方は繰り返し唱えてみるとよいでしょう。






by toukokira-kira | 2019-01-27 12:46