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痛みとは 1

今回、少し長文になりますが、「痛みとは」についての考察論文をお届けしたいと思います。
これを含めて、最近書いている整体法や治療についての記事は、15年前の「治療家のひとりごと」というブログ記事で書いてきたものに手を加え再掲載しているものです。
そして、私の治療理念の基本がここにありますので、十分に記述したいと思います。

腰痛、下肢痛、何痛でもよいのですが、その痛みの原因は、骨の変形、変異、ズレではありません。
骨折や、捻挫、脱臼は、骨の変異が原因の新生の痛みですが、それ以外の痛みは、骨に関係ありません。
皆さんが錯覚しておられるようなのですが、骨の変形が神経を圧迫して、痛みを出しているのではありません。
少なくとも、米国の医学会ではそういう生理学はありません。
このように思い込んでいる限りは、治る世界には入ることができません。
日本の整形医学もしかりです。
痛みの原因は、筋肉組織にあります。
痛みの原因は、筋肉そのものにあるのです。
言い方を変えると、筋肉のバランス状態の質にあります。
骨の変形,変位は全く痛みと関係ありません。
筋肉さえ正常にしてあげれば、痛みは消失します。
骨の変位、変形が原因と言われて、手術してはなりません。
手術をすると、新たな痛みと新たな変形が生まれます。
それは、一時的な痛みではなく、生涯、取り返しのつかない変形と痛みに変わります。
一生涯、何万倍もの新たな苦しみを背負うことになります。
硬く縮んで、緊張した筋肉さえ緩めて正常にしてあげれば、すべての痛みは消失するのですから、手術は不要です。
これが私の治療哲学です。
それなのに、腰の骨がずれているといって、腰椎を切断する大手術をするのです。
腰椎を鉄のボルトで固定する手術をして、生涯苦しんでいる人が大勢います。
手術の結果、幾万倍もの新たな痛みと変形で苦しむのです。
ヘルニアであろうと、何であろうと、筋肉をちょっと、調整してあげれば、すぐに治るのに、実に勿体無いことです。
整形外科医は、筋肉には決してアプローチしません。
筋肉に触れて、正常化させようという、そんな発想はありません。
病院では、骨折、脱臼以外の筋骨格系の痛みは治りません。
腰痛でどんな病名をつけられても、決して手術してはなりません。
斬ったり、はっつけたりして、手術すると、変形がひどく、もう助けられなくなります。

膝の痛みであれば、太ももと膝裏の筋肉を緩めてあげることです。
それですべてが解決します。
正座しようとして、膝裏が突っ張って痛む、正座できない、という場合は、膝のお皿が痛むように感じていますが、実はそうではないのです。
そんなところに原因はないのです。
そこに結果が出ているだけで、膝には原因はないのです。
殆どが、膝裏の筋肉か、太ももの内転筋群が原因です。
膝裏の膝下筋を押しても痛くない人は、大腿四頭筋の内側広筋を緩めます。
股の付け根から膝内側まで徹底的にゆるめると治ります。
太ももの内側に原因があるのです。
膝の内側の曲泉、陰稜泉に痛みが出ますが、それは膝に付着する太ももの内転筋群の硬結に引っ張られて痛んでいるのです。
軟骨が触れ合って痛むという場合も、筋肉群に引っ張られて、軟骨の隙間が狭くなり、痛むのです。
膝周辺が炎症して痛む場合には、膝を冷却しようとして、水が溜まりますが、この水を抜いてはなりません。
膝の捻れが炎症を発生させているので、膝の捻れ、硬直を取ってあげることが解決の道です。
膝の外側が痛む人は、臀部と股関節周辺、大腿筋膜張筋を調整すると痛み消えます。
膝の痛む人は、みんな姿勢が悪い人ばかりです。
とくに身体が前傾しています。前傾すると、膝の前側に体重がかかり、痛みをつくります。
膝に平均して体重がかかっていないのです。
膝の軟骨は、上から平均に圧力がかかるぶんには、びくともしません。 内側や、外側、前側に体重がかかたりすると、軟骨は壊死して狭くなります。
レントゲンにも軟骨の変位が写ります。
それで、軟骨が、軟骨ガ、ということになります。
でも軟骨が痛むのではありません。
筋肉異常で痛むのです。
膝痛の殆どが腰痛、坐骨神経痛を併発していますが、腰痛を治すことが、膝の完治法です。
そして筋肉は骨に付着するところが痛むという原則も忘れてはなりません。
骨に原因があるように錯覚しがちですが、痛みの原因は骨ではなく筋肉です。
そして、筋骨格系の治療では、戻りのない治療、再発のない治療はありません。
原因の筋肉を見つけて正常に戻してあげても、再発のない治療は稀でありえません。
生きている限りは、人間の身体を再発なく治すということは、難しいのです。
何故再発するのか。答えは簡単です。
治療終了時は、確かに治っているのです。
しかし、刻々と降りかかるストレスがその人の交感神経を緊張させ、無意識に筋肉を硬直させます。
ストレスは同時に、内臓に内熱を発生させ、無意識に筋骨格系を緊張させます。
臓器の反射筋が硬直します。
それらが血流を阻害させ、新たな痛みを発生させます。
痛みの原因として、精神的ストレスを念頭において置かないと、治療する人は、永遠に治療上の悩みから開放されません。
生命活動が続いている限りは、基本的には、再発のない治療はないのです。
治療に来る人の身体状況は、0点や10点、20点の人です。
60点にしてあげれば合格です。
60点以上の身体なんてなかなかありません。
100点の人は皆無です。最高で60点です。
100点を目指して、無理して強引に治療すると、患者の身体が壊れます。


by toukokira-kira | 2018-12-15 10:14