2018年 12月 13日
腰痛治療の各論について
五心朝天法の太極療法は、主に内臓調整法、ストレス調和法、脊髄神経調整法からなりますが、筋骨格系の調整も行っています。
肩こりや腰痛、膝痛、関節痛の治療も日常的に行っています。
今回は、日本人の80%が苦しんでいると云われる「腰痛症」の基本について書き綴ってみたいと思います。
腰痛治療は患者それぞれによって無限のバリエーションがあり、必ずしも解説したとおりではないことも多々あります。あくまでも基本ということです。
専門的な記事なので、治療家以外の方には少し難しいかもしれません。
一応、まとめてみましたので、興味と関心のある方は、お読みください。
初心の方は、熟読玩味されて、腰痛治療のバイブルとされるとよいと思います。
腰椎と腰痛の関係を分析すると、下記のとおりとなります。
■腰椎第1番は、前後の運動を支配します。朝起きがけに腰が痛む人は、ここの硬直です。立ち仕事、頭脳労働などでここが緊張してきます。原因不明の腰痛の大部分がここの緊張と硬直が原因です。
■腰椎第2番は、左右の運動を支配します。くしゃみして腰が痛む人は、大体がここの不調です。暴飲暴食をすると、腰椎2番が緊張してきます。消化器系と繋がっています。
■腰椎第3番は、ねじれ運動を支配します。腎臓,膀胱などの泌尿器系を表し、トイレの近い人はここの硬直です。腰椎では重要であり、ここが壊れると身動きがとれなくなります。腰痛の激しい痛みが出るということです。
■腰椎第4番は、呼吸力を支配します。しゃがむと痛い人は、ここが不調の日とです。生殖器、婦人科を表します。子宮や卵巣に異常のある人は、ここに痛みがでます。骨盤の開閉をも担っています。
■腰椎第5番は、前後の運動機能を表します。前屈して痛む、立ち上がる動作で痛む人は、ここが硬直しています。下肢の痛み、痺れに深く関係しています。
腰痛の分類は、3つのパターンがあります。
■大腰筋,腸腰筋群などの深部筋が原因の腰痛。ストレスなどで呼吸が浅くなり、横隔膜の動きが悪くなると、腹部の血流、腹圧が弱くなり、大腰筋などが緊張して、腰痛が発生する。後屈不可。後ろに反ることができない腰痛です。立つと楽だが、座ると痛む。腰痛の80%以上がこれに当ります。弱った腹圧を正常に戻す調整が必須です。
■起立筋群、多裂筋群が原因の腰痛。前屈不可。5番の根元を重点的に調整する。座ると楽だが、立つと痛むという腰痛であり、前屈ができない腰痛です。
■腰方形筋が原因の腰痛。起立筋群の下に腰方形筋があり、このさらに下奥に深部筋である大腰筋があります。腰方形筋は薄い筋肉なので、動けないほど痛むわけではありませんが、立ち上がる瞬間や、座る瞬間に痛みます。左右に腰を捻ると痛みが顕著な腰痛です。前屈、後屈の瞬間にも痛みが出ます。
骨盤の中が痛む場合、骨盤の上が痛む場合、仙骨周辺が痛む場合など、患部の場所によって、調整が変わってきますが、どの場合の腰痛治療であっても、下肢を十分調整することが必須要件です。下肢とは、股関節であり、ふとももであり、膝関節であり、ふくらはぎであり、足首の調整のことです。とくにふとももの調整は腰痛治療の生命線です。ふとももの大腿四頭筋,大腿二頭筋,半腱様筋、半膜様筋、薄筋、縫工筋、恥骨筋をしいかり緩めないと、腰痛を解消させることはできません。ふとももを完全に調整できると、五臓六腑が調和し、腹圧が正常化し、中殿筋などの骨盤内の筋肉群や起立筋群、腰方形筋群が緩みます。
この腰痛治療の実際を読んで理解し、実践できる能力のある人は、今日から腰痛治療の達人になります。私が太鼓判を押します。
腰痛は、大局的に身体を見て、上体のバランスと下体のバランスの乱れが骨盤周辺に現れたものです。立ってやった場合と、座ってやった場合とで、前屈や後屈をしてみて、どちらが痛みが強いかを判断します。立った場合の方が痛む場合は、下肢のバランスの崩れによる腰痛です。下肢調整に重点を置いて調整することになります。座った場合のほうが痛みが強い場合には、上体のバランスの乱れによるものですから、上体の捻れや、両腕,頸、肩、背中を十分に調整します。こういう基礎知識も神道の手当法の完成のためには必須なのですよ。東洋医学を熟知した上で、神霊波動を用いるとよいでしょう。
by toukokira-kira
| 2018-12-13 10:11