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地獄を知らぬ者

清濁併せ呑む、という言葉は、神道の言葉でも、仏教の言葉でもありません。
神道も仏教も、濁ったもの、汚れたものを肯定したり、認めたりしていないからです。

しかし、西洋に行くと、ニーチェなどの哲学では、「善にも強ければ、悪にも強いというのが、最も強い力である」となります。
西洋では、清濁あわせ呑んだ力が一番強い力ということです。

マキャベリの言葉にも「天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである」というのがあります。
地獄へ行く道を熟知している人こそが天国への道を一番よく知っている人ということでしょう。
地獄を知らぬ者には、天国への道へ人々を導いてはいけないということです。
苦しい地獄を一度も経験していない人というのは、天国へ通じる道も知らないと言っているのです。
海のように広い心で、すべての川の流れを受け入れる大心をもつべきでしょう。」
清流も、汚れた河川の水も、わけ隔てなく受け入れる心が海の心、大心です。
清く、美しいばかりでは力にならないということです。
人間にとっては、清らかさとともに、汚れや濁りという要素も大切だということです。
現実世界では、清濁あわせ呑んだ力が一番強い力ということです。

by toukokira-kira | 2018-02-18 18:15