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道元禅師

道元禅師については、度々,書き綴ってきましたが、仏教哲学では道元が最高峰だと思います。道元の著作、正法眼蔵は、西洋の哲学にも負けない不朽の名作です。

空海と並び称される日本の禅宗の開祖道元のテーマは、執着と欲望を捨て去ることです。
釈迦である仏陀が臨終のときに残した言葉も、「我欲、我執、我見の消滅」でした。
それゆえに道元は淡々とした人生を目指します。
自分のすべてを捨てて,自己を空しく、空っぽにして、しかもそこには、自己もなく、他己もない世界の構築を打ち立て、自他の区別のない境地を確立したのが道元禅師です。
自己もなく、他己もなくという世界は、精神階層でいえば第7階層世界です。
名を捨て、利を捨てて、万事投げ捨てて、無一物となることが、よき道人の条件と教えています。
要は、執着を捨てて、利欲を捨てて、自分を捨て去ったところに、真実の道が見えてくる、と説いたのです。
これを小我大我の心といい、自利利他の心とも言います。
自分というものを捨て去る哲学が道元哲学です。
自分というものにこだわっている間は、世界を真に見ることはできないと云っています。
自分の名誉や地位、富や財宝にこだわっている間は、迷いの世界に沈むと言っています。
何かを望むなら、その事柄をただひたすら寝ても覚めても,想い続けよ。
さすれば、たとえよこしまな想いでも叶う。
何事も一心不乱にやれば、宇宙の真理を体得できるようになると、教えてくれています。
一心不乱、無我夢中の力です。
自分を捨てて、他者のために最善を尽す。
そして感謝の心を忘れない。
世のために誠を尽くす。
これが自利利他の心であり、小我大我の心というものです。
人間の人生の目的は、そこにあるのだ、と道元は言います。
自分のことしか考えられない身勝手な私達とは次元が違うようです。


by toukokira-kira | 2018-01-17 12:43